日本が誇る美しい木、「ヤマザクラ」で作る家具

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家具に使われている木で、赤みのある樹種と言えばどの木を思い浮かべますか?

おそらく多くの方は「ブラックチェリー」とお答えになると思います。

ブラックチェリーはテーブル、チェアはもちろん、ソファや収納家具まで
幅広くお作りすることができる人気樹種です。

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赤には気持ちを活性化させる効果があるので、人が集まる場所、にぎやかにしたい部屋に取り入れると効果があります。また食欲を増進させる効果もあるのでダイニングにはぴったりな色です。

もちろん当店でも耳付きテーブルやチェアなど人気なのですが、ブラックチェリーに負けず劣らずの隠れた人気樹種があります。

それは「ヤマザクラ」。

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サクラと聞くだけで気分が高揚するのは日本人だからでしょうか。
BRUNCHでは一部家具でしか製作できないため、あまりピンとこないかもしれませんが、とても魅力的な樹種ですので、今回はこのヤマザクラについて紹介したいと思います。

 

<<ヤマザクラとは?>>

バラ科サクラ属の広葉樹であるヤマザクラ。
同じバラ科サクラ属の広葉樹であるブラックチェリーと近樹種にあたります。
都内では屈指の桜の名所である皇居外堀の一角・千鳥ヶ淵が有名で、
木材としては別名「本桜」とも呼ばれます。
これは樺やミズメといったサクラに似た木が「サクラ材」として流通していため、
それらと区別するためです。

 

<<産地>>

ヤマザクラはサクラの木で産地は日本
ブラックチェリーはアメリカンチェリー(さくらんぼ)の木で、産地は北米です。

ちなみに花見でよく見かける「ソメイヨシノ」は江戸時代後期に人工交配によって生まれた園芸品種で、接ぎ木などによって人工栽培しているので、同じ遺伝子をもっています。

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そのため同じ条件下のもとで開花の時期が揃えることができ、花が一斉に咲いてから芽が出る性質はお花見には最適な品種ともいえます。それに加え比較的環境に左右されずに育てることができる点から全国に植えられ、日本の桜の8割ほどを占めるようになりました。

たいして「ヤマザクラ」は自生種ですので、一本一本遺伝子が違い、表情も開花の時期もバラバラです。
また開花と新芽が同時期のため、ソメイヨシノのような一斉に咲き誇る様子を見ることはできません。

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それでも江戸時代以前にはこのヤマザクラがお花見の花として親しまれ、そして現在もお花見や家具として私たちの生活を豊かにしてくれています。
途方もない時間をかけ自然が作り出した芸術。そこには人工的には作ることができない美しさが内包されます。

一本一本違うからこそ、それぞれに特徴や個性があり人々を惹きつける
それがヤマザクラの美しさの要因かもしれません。

 

<<色合い>>

赤褐色に変化していくブラックチェリーにたいして
ヤマザクラは赤を少し抑えた落ち着きのある色合いをしています。
この絶妙な色合いは非常に日本人の美的センスをくすぐると思います。

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写真は左半分が1年ほど経過したブラックチェリー、右側が2年ほど経過したヤマザクラです。
写真ではあまり違いが分からないほどの似た色合いですが、
時間が経つにつれヤマザクラの落ち着いた雰囲気は際立っていきます。
赤と茶色がまじりあって独特の落ち着きと気品を感じる、情緒ある色合いです。

 

<<手ざわり>>

木は組織の大部分を占める導管の並び方により環孔材散孔材に分けられます。
環孔材は太い導管が規則的に並ぶため、はっきりとした木目と木らしい手触り、
散孔材は細い導管が不規則に並ぶため、淡い木目となめらかな手触りになります。

ブラックチェリー・ヤマザクラはどちらの木も散孔材のため、
なめらかで光沢のある木肌をしています。

この光沢と絶妙な色合いが織りなす雰囲気がヤマザクラの最大の特徴です。
一目見て、「美しい」と心から思える魅力的な木です。

 

<<木目>>

散孔材の中においては、少し導管が太めの木であるため、
環孔材ほどはっきりした木目ではなく、散孔材の中でも導管の細いメープル材ほど木目がわからなくもない、ほどよく木目が見える木と言えます。
さて、木目をよく見てみるとヤマザクラには暗緑色の縞模様が見えることがあります。

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たいして樹液を多く含んだブラックチェリーには特有の黒い点や線、ガムスポットが点在します。

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近樹種といえ、まったく同じではなく微妙な部分に違いが表れます。
木目の強弱は家具の表情を豊かにしてくれます
色合い、光沢の美しさに加え、木目から無垢材の力強さを程よく感じることができます。

 

<<ブラックチェリーとの相性>>

これは近樹種のため、相性はとてもいいです。
ちなみに当店ではブラックチェリーの耳付きテーブルにヤマザクラのテーブルをあわせていますが、一見して気づく方はあまりいらっしゃらないと思います。

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ブラックチェリーとヤマザクラのチェアの組み合わせです。
違和感なくすんなりとなじみます。

当店おススメはTA-0305耳付きテーブルCH-0069チェアの組み合わせです。

ブラックチェリーでお作りできるTA-0305耳付きテーブルは耳付きながら、
幅・奥行きともにサイズがお選びいただける万能さが魅力です。

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脚も定番の木製四本脚はもちろん、モダンなスチール脚もお選びいただけます。

ヤマザクラでお作りできるCH-0069チェアは、広々とした座面の北欧デザインの人気チェアです。
座面は張座もお選びいただけますが、贅沢にヤマザクラを使用した板座がおススメです。

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もちろんテーブルがヤマザクラでチェアがブラックチェリーでもしっくりきます。

 

<<ヤマザクラで作れる家具>>

現在BRUNCHでヤマザクラを使用できる商品は一点もののテーブル、チェア、スツールの3商品です。

■耳付き接ぎテーブル

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一点ものの接ぎ合せの場合、一本の丸太からすべての材料を調達します。
それにより板同士の色合いの差が少なくなること、伸縮の動きがある程度似ることなどメリットがあり、職人がさらにその板をどの順番・位置で接ぎ合せるかにより表情が変わります。
この板は一見しては接ぎ合せが分からないほど綺麗な仕上がりです。

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写真のテーブルは3枚を接ぎ合せていますが、どこで接ぎわせているかわかりますか?

ヤマザクラは材料調達が困難なため、なかなか入荷が難しい材料です。
広い幅が必要になるテーブルとなるとなおさらですので、これだけ綺麗な天板は貴重といえます。
その点でヤマザクラは「材と作り」の両面にこだわりをもったテーブルと言えます。
ちなみにこの商品はweb未掲載のため、ぜひ店頭でその美しさをご覧いただければと思います。

CH-0068チェア(張座)CH-0069チェア(板座)

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すっきりと美しい北欧デザインが魅力のこのチェアは、曲線と取り入れることでヤマザクラの美しさが活かされています。耳付きテーブルとの相性も良く、非常に人気の高い1脚です。
幅505mmの広々とした座面は板座とクッション付きの張座からお選びいただけ、ダイニングチェアとしてはもちろんデスクチェアとしても、隠れた人気を誇ります。
唯一ヤマザクラでお作りできるチェアですので、ぜひ実際にお確かめいただければと思います。

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上の写真はBRUNCHでは唯一のサクラのテーブル、チェアの組み合わせ。
ブラックチェリーとは、少し違う味わいがあります。

CH-0244耳付きベンチ

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CH-0239耳付きスツール

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贅沢に耳付きのヤマザクラで作ったベンチとスツールです。
テーブルの片側をベンチにすることですっきりとした印象になりますね。

スツールはインテリアとしても便利なアイテムで、
こういった小家具がお部屋にひとつあるだけで雰囲気がガラっと変わります。
それをヤマザクラで作るという贅沢をぜひお楽しみください。

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いかがだったでしょうか。
ブラックチェリーと近い雰囲気ですが、やはりそれぞれに違いがあります。
日本人にとって非常になじみ深いヤマザクラを使用した家具。
ちょっとしたこだわりは、毎日を少しずつ豊かに贅沢にしてくれます。
ブラックチェリーでご検討頂いている方はぜひヤマザクラもご一考くださると幸いです。

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