BRUNCHの一枚板はどうやってできる?

一枚板が出来上がるまでには大きく分けて下記の3つの工程が必要になります。

1.仕入れ →詳しくはこちらから
2.製 材 →詳しくはこちらから
3.乾 燥

特に3.乾燥は一枚板の状態に大きく影響を与える非常に重要な工程です。

現代の住宅は気密性が高く、床暖房など私たちにとっては非常に快適な環境が整っていますが、無垢材が育った環境とは真逆にあります。
特に乾燥した室内は無垢材に大きく影響を与え、「割れ」や「反り」といった不具合が生じる原因となります。

「木」に「反る」と書いて「板」という漢字になるように、「反り」と「割れ」の可能性をゼロにすることは残念ながらできませんが、
割れや反りの可能性を可能な限り下げた状態にすること」はできます。そのためにはしっかりと乾燥させることが非常に重要になります。

木は伐採直後は水分をたくさん含んでおり、この状態ではすぐに腐ってしまったりするので商品としてはまだまだ使用できません。
そのため段階を踏んで少しずつ乾燥させていきます。

その工程は大きく分けて3つあり、まずは天然乾燥

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屋外または風通しのいい屋内で「桟積み」をした状態で乾燥させる方法です。

この方法では空気にふれている表面から少しずつ乾燥していきますので、
板と板を重ねてしまうと空気にふれる面が少なくなり乾燥が進みません。
また場所によって乾燥の進み具合に差が生じると割れや変形が起きてしまうため
なるべく多くの面が空気にふれるように板と板の間に木の桟を挟み、隙間を作ります。

含水率30%前後になると木は収縮をはじめ、「反り」や「割れ」といった症状があらわれます。
さらに乾燥が進むと最終的には安定した状態になるため、BRUNCHではこの状態まで丁寧に乾燥させた状態の天板を使用しております。
割れが出やすい表面や木口には割れ止めの塗料を塗ったりカスガイを打ち込んだりしていきます。

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この天然乾燥は樹種によって乾燥の進み具合が変わるため数年かけて行う場合もあり、
じっくりと時間をかけ少しずつ含水率を下げていく方法のため効率は良くありませんが、
板にかかる負担を最小限に抑えることができます。
この際に風の抜ける向きに対して垂直に桟積みを置くと効率よく乾燥が進みます。

こうして天然乾燥により時間をかけて少しずつ含水率を下げていくのですが、
天然乾燥のみでは平衡含水率の15%前後までしか下げることができないため、続いて人工乾燥を行います。

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温度・湿度などを調整できる倉庫の中に天然乾燥させた板を入れて乾燥具合・含水率を調整します。
人工乾燥には様々な方法があるのですが、写真では蒸気式の乾燥を行なっています。
ボイラーから発生した蒸気を送風機を使い庫内が一定に保たち、仕上がりの含水率の均一を図ります。
ちなみに庫内は80℃ほどとかなりの高温になっています。

BRUNCHの一枚板は上記の蒸気乾燥に加え、さらに高周波乾燥機も使用しています。
これまで紹介した天然乾燥・蒸気式の人工乾燥は、表面からの乾燥方法でしたが、
高周波乾燥の場合は私たちの生活の中で言えば電子レンジのような仕組みで、
内部から熱を加え、外に水分を蒸発させていきます。
これにより外部からも内部からも乾燥させることができ、均一な含水率を保つことができます。

人工乾燥の期間は天然乾燥の1~数年にたいして数週間の乾燥で済みます。
ではなぜ最初から人工乾燥を施さないかというと、
急激な含水率の変化は、木に大きな負担がかかり割れや変形の可能性を増幅させてしまうためです。
なので、まずはゆっくりと天然乾燥で含水率を下げ、そのあとに人工乾燥で現在の住宅環境にあわせた含水率に下げていく必要があります。

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乾燥が無事完了した後は板を外気に馴染ませるように2週間ほど桟積みする「養生」を経て一連の工程が終了となります。

「何百年という時間をかけて大きくなった木を大切にすること」
「可能な限り素の美しさを皆様にお届けすること」
なおかつ
「安心してお使い頂くこと」

そのためには手間暇はかかりますが、しっかりとした工程で乾燥させた天板を取り扱っております。

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