無垢材のテーブルをお探しになる際にまずは考えるのが木の種類だと思いますが、
耳付きテーブルの場合はその樹種も限られてきます。
当店で取り扱っている樹種を色合いごとに分けると下記のように分類されます。
<<濃い色>>
・ウォールナット
・モンキーポッド
・チーク
<<中間色>>
・ブラックチェリー
・ヤマザクラ
・オニグルミ
<<明るい色>>
・トチ
・タモ
・クリ
濃い色・中間色はテーブルに限らずたくさんの家具に使用されていますのでご存知の方も多いと思います。
明るい色の中ではトチは一枚板として非常に人気の高い樹種ですし、
タモは耳付き以外のテーブルでも取り扱いがありますが、
今回は明るい色の中でもあまり馴染みのないクリを紹介したいと思います。
今まであまり知られていなかったクリの魅力を感じて頂ければ幸いです。
<<クリとは?>>
ブナ科クリ属のクリは、普段私たちがよく食べる栗の実のなる木です。ただ木材として使用されるクリは実が小さな「山栗」が主材で、食用のクリは品種改良されたものがほとんどです。日本に広く分布しており、特に東北地方のクリは非常に有名です。
ちなみにクリは英語で「チェストナット」といい、
よく間違えられる「マロン」はフランス語です。
<<木材としての特徴>>
クリには防腐や防虫効果の高い「タンニン」が多く含まれています。
そのタンニンのおかげで耐朽性・耐水性に優れたクリは、古くは縄文時代から建築材として使用されており、特別史跡の青森・三内丸山遺跡では直径1メートルにもなる木柱を6本使用した大型掘立柱建物が発見されました。
ちなみにこの柱を復元するにあたり、国内には大きく太いクリがなく、ロシアから輸入したそうです。
また世界遺産として有名な岐阜の白川郷の合掌造りの主要材料としても有名です。
水湿にたいして優れていることから水回りの材料にも適しており、建築材をはじめ鉄道の枕木や家具などさまざまな場面で使用されてきましたが、それによる過伐に加え元々大径木(※)が少ないこともあり資源量の減少が進み、また生活文化の洋風化に伴い少しずつクリ材を見かける機会も少なくなりました。
それでも国産の広葉樹に限れば上位の資源量を誇るため、その質の高さから家具の材料として今後に期待が寄せられています。
※大径木・・・地上から 1.2m の高さの幹周が90cm以上の樹木。直径にすると約30cm以上になります。
<<色合い・木目・質感>>
実の色と同じく黄色みを帯びた褐色の色合いは、ナチュラルで落ち着いた雰囲気に仕上がります。その色合いは経年変化により少しずつ濃く深く変化していきます。
また木は組織の大部分を占める導管の並び方により、「環孔材」と「散孔材」に分けられます。
クリは導管が規則的に並ぶ環孔材に分類され、その中でも特に太い導管を持つため
はっきりとした木目と木の風合いを感じる手触りが特徴です。
<<クリで製作できる家具>>
BRUNCHでは耳付きのテーブルを中心に、同じく耳付きのベンチやスツールをお作りしております。
面積の大きいテーブルにすることで、木目の程よい主張と柔らかな色合いをお楽しみいただけます。
明るい色合いの代表格でもあるナラ(オーク)は一般的なテーブルでは定番の木材ですが、耳付きに限定すると耳部分が腐りやすくほとんど流通がありません。その代わりとなるのが近い雰囲気を持ったクリ材です。一枚板はなかなか入荷がありませんが、ナチュラルで合わせやすい耳付き接ぎの天板を展示しておりますので、クリの良さも引き立ちます。またコストパフォーマンスにも優れている点も見逃せません!天板はどれも一点ものですので、ぜひ実際に店頭でご覧頂ければと思います。
ベンチとスツールの詳細はこちらからご覧いただけます。
CH-0244 耳付きベンチ
CH-0239 耳付きスツール
<<テーブルの脚>>
テーブルは木脚・鉄脚からお選びいただけます。
中でも人気はクリの柔らかな印象にあわせたホワイトの鉄脚です。
モダンな雰囲気をプラスしたい場合はブラックがおススメです。
木脚であればクリの素朴さを活かしたテーブルに、鉄脚であればナチュラルにもモダンにもなります。お好みの雰囲気にあわせてお選びください。
<<クリと相性のいい木>>
色合いが近いナラ(オーク)やタモ(アッシュ)、ブナ(ビーチ)は相性が良く、特にナラやタモは同じ環孔材のため木目のはっきりとした雰囲気もクリに近合わせやすい木です。
クリの耳付きテーブルとホワイトオークのチェアを組み合わせたダイニングテーブル。
ナチュラルで明るい印象に。落ち着きのある定番の組み合わせです。
クリの耳付きテーブルに、アッシュ材(手前)とビーチ材(奥)のチェアの組み合わせ。
黒やアイアンなど異素材を取り入れ、軽やかさの中に引き締まった印象をプラス。
ビーチ(手前左側)、メープル(手前右側)、ビスクオーク(奥左側)、ホワイトオーク(奥右側)のチェア。
すべて別の木ですが、色合いを揃えることで華やかさの中にまとまりを出すことができます。
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いかがだったでしょうか。
現在はあまり馴染みのないクリの家具ですが、実はとても優れた材質を誇り、ナチュラルな雰囲気で合わせやすい色合いをしています。
明るい色合いの耳付きテーブルをお探しでしたら、ぜひクリもご一考いただけると幸いです。
お問い合わせはbrunch+timeまで。