古くから人々に愛されてきたサクラには、あまり知られていないこと、意外な一面がたくさんあります。
サクラをもっと好きになっていただくためにいくつかの話を紹介いたします。
■サクラの語源
サクラの語源には諸説あるため、いくつか紹介します。
まずは木花咲耶姫(このはなさくやひめ)の「さくや」部分が転訛した説について。
木花咲耶姫は日本の神話に登場する女神の一人で、富士山から花の種をまいたとされていて、
木花(このはな)が桜だと言われています。
そこから転訛して「さくや」 ⇒ 「さくら」になったのではないかと言われています。
もうひとつは神様が来臨する木という説です。
桜は奈良時代には「信仰」や「占い」の意味合いで植えられることが多く、
田んぼの神様が桜に来臨するということから、
神霊もしくは耕作を意味する古語「さ」と、神様の座る台座「御座(みくら)」があわさり
「さくら」になったのではないかと言われています。
どちらも納得できそうな語源ですね。
■サクラの花言葉
品種に限らずサクラ全般の花言葉は「優美な女性」「精神の美」「淡白」です。
ヤマザクラの花言葉は「純潔」「高尚」「淡白」「美麗」「あなたに微笑む」。
どれもヤマザクラにぴったりな気品を感じる意味合いの言葉ばかりですね。
■アメリカでもサクラが満開?
春と言えばお花見の季節ですが、海外でも桜を楽しむ祭りがあります。
それはアメリカで毎年開催されている「全米桜祭り(英語では「National Cherry Blossom Festival)」です。。
1912年に当時の東京市長、尾崎行雄さんが日米の友好関係を願い、ワシントンにソメイヨシノなどの桜が贈られたことを記念した祭りです。
期間中はパレードや花火、建物を桜色に染めるイベントなど大盛り上がりだそうです。
中でも驚きなことは、ホワイトハウス周辺の通りを閉鎖して行われる「サクラマツリ」なるイベント。
「日本らしさ」を体験できる書道教室、おでんやたこ焼きなどの日本の屋台で盛り上がるそうです。
■カバザクラはサクラ?
カバザクラには桜の一種のカバザクラと、木材としてのカバザクラの2種類があり、それぞれ別の木です。
桜の一種のカバザクラは漢字で書くと「蒲桜」。
エドヒガンザクラとヤマザクラの自然交配により誕生した、れっきとしたサクラ属の木です。
たいして木材としてのカバザクラの漢字は「樺桜」です。
カバザクラはカバノキ属で、木目の雰囲気がサクラに似ていること、また価格を大幅に抑えることができるため代用として使われ、
カバザクラもしくは単にサクラと呼ばれることもあります。
こちらがカバノキで作ったチェスト。
こちらがサクラで作ったチェア。
木目を見るとたしかに似ている感じがしますね。
手前の小さな板:カバザクラ/奥:ヤマザクラ